市と県との権利の違いがわかるようになっています。政令指定都市となり、市は独自権限を持つようになりましたが、果たして諸権利は改善されたのか。県との比較をもとに考えます。
さいたま市教職員組合作成
2018年3月1日
勤務時間・休暇等について
No | 項目 | さいたま市 ※は市職 | 埼玉県 |
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1 | 勤務時間 | 4週間を超えない期間につき1週当たり38時間45分 | 同じ |
2 | 週休日及び勤務時間の割振り | 日曜日及び土曜日は週休日 1日につき7時間45分の勤務時間を割り振る | 同じ |
3 | 週休日の振替 | 振替期間は前4週後16週 ※市職は前4週後8週の範囲で | 同じ |
4 | 休憩時間 | 45分 ※市職は条例上45分、規定で60分 | 同じ |
5 | 休日の代休日、代休日の指定 | 割振られた勤務時間の全部又は一部を命じられた場合 前4週後16週の範囲で ※市職は前4週後8週 | 同じ |
6 | 年次有給休暇 | 取得単位 1日、1時間、15分 | 取得単位 1日、1時間 |
7 | 生理休暇 | 3日の範囲内でその都度 | 同じ |
8 | 結婚休暇 | 連続する8日(週休日を除く) 結婚の1か月以内 職務が繁忙な場合は、 結婚の日の最初の長期休業中に取得できる 取得単位 1日 | 連続する7日(週休日を除く) 結婚の1か月後まで 繁忙期など合理的理由の場合、 結婚の日の最初の長期休業中に取得できる 取得単位 1日 |
9 | 通院休暇 | 妊娠23週までは4週間に1回 妊娠24週から35週までは2週間に1回 妊娠36週から出産までは1週間に1回 産後1年ではその間1回 取得単位 1日、1時間、1分 | 同じ 取得単位 1日、1時間 |
10 | 妊娠障害休暇 | 連続する2週間 出産休暇と連続しての取得が可能 ただし、連続する場合は週休日や休日は期間に含む | 連続でも断続でも14日の範囲内 1日単位の分割可能 出産休暇と連続の場合は週休日や休日は期間に含む |
11 | 出産休暇 | 出産予定日6週間前(多胎妊娠の場合は14週間前)から 産後8週間 加算期間2週間 ※市職は加算期間1週間 | 同じ 加算期間2週間 |
12 | 出産補助休暇 | 5日 出産の日後3週間まで | 3日 出産の日後2週間まで |
13 | 育児参加休暇 | 5日 取得単位 1日、1時間 | 同じ |
14 | 保育時間 ※県は育児休暇 | 1日2回、午前午後各30分(1回60分でも可能) 取得単位 30分 | 1日2回、1日を通じて90分 取得単位 30分、45分、60分 |
15 | 看護休暇 ※県は子育て休暇 | 中学校就学前の子、里子は対象外 5日(2人以上10日) 疾病等の世話、予防接種・健康診断の付添のみ対象、 緊急時の引き取り(実際の時) 取得単位 1日、1時間、15分 | 義務教育終了前の子、里子も対象 7日(2人以上10日) 後遺障害の機能回復訓練介助、学校行事への参加 (参観・懇談会、三者面談、引渡し訓練)、 緊急時学校からの引き渡しも対象 取得単位 1日、1時間 |
16 | 家族看護休暇 | 無い | 3日の範囲内 対象:(同居・別居)配偶者、父母、 子(義務教育終了前までの子を除く)、 配偶者の父母、祖父母、孫、兄弟姉妹、(同居の場合) 事実上の父母、事実上の子 負傷・疾病による治療・治療中の看護及び通院の世話 |
17 | 短期介護休暇 | 5日(要介護者2人以上は10日) 配偶者、父母、子、配偶者の父母、孫等が負傷・疾病、老齢等により 2週間以上にわたり日常生活を営むのに支障があるもの 要介護者の介護、通院付添い、介護サービス提供手続きの代行等の世話 取得単位 1日、1時間 | 5日(要介護者2人以上は10日) 要介護者の介護、通院等の付添い、 介護サービスの手続きの代行、必要な世話 対象:(同居・別居)配偶者、父母、子、 配偶者の父母、祖父母、孫、兄弟姉妹 取得するときは休暇願とともに 「要介護者の状態等の申出書」提出が必要 取得単位 1日、1時間 |
18 | 忌引休暇 | 配偶者 10日 子 5日 血族の父母 7日 同 祖父母 3日 同 孫 1日 姻族の父母 3日 同 祖父母 1日 伯叔父母 姻族1日 遠隔地加算:片道4時間~8時間 1日 片道8時間以上 2日 | 配偶者(事実婚) 10日 子 7日 血族の父母 7日 同 祖父母 3日 同 孫 1日 同 兄弟姉妹 3日 同 伯叔父母 1日 姻族の父母 3日 同 子 1日 同 祖父母 1日 同 兄弟姉妹 1日 伯叔父母 ※学校職員と生計を一にする姻族の場合は血族に準じる 遠隔地加算:往復に要する実日数 |
19 | 法要休暇 県:追悼のための休暇 | 配偶者・父母又は子の法事を行う場合1日 遠隔地の場合の加算は忌引休暇と同じ 最大2日 | 配偶者、父母(実父母・養父母)、子(養子も)の 追悼のための特別な行事(法事等)のため1日 |
20 | 病気休暇 ※細かいので権利手帳を参照 | 異なる病気でも通算して90日まで 医師の診断書(通院に場合、治療証明書、診察券、領収書、薬袋) インフルエンザは回数の制限なし 取得単位 1日、1時間、1分 | 90日まで 病休1か月で代替教職員配置、 3か月以上で病気休職になる。 明らかに異なる病気により治療する場合は 90日を超えて取得可能 取得単位 1日、1時間 |
21 | 通勤緩和休暇 | 1日に1時間の範囲(始業時または終業時) 取得単位 1時間、1分 | 同じ |
22 | 介護休暇 | 2週間以上にわたり日常生活に支障がある者を介護する場合 要介護者1人に、通算6か月間(3分割可)取得できる。 配偶者の祖父母も対象 取得単位 1日、1時間 ※無給 | 要介護者1人に、通算6か月間(3分割可)取得できる。 配偶者の祖父母も対象 取得単位 1日、1時間 ※無給 1週間以上にわたり日常生活に支障がある者を介護する場合、 連続する6月(2分割可) 配偶者の祖父母は対象外 ※勤務しない1時間につき1時間当たりの給与減額(無給)。 期末手当は介護休暇の期間は除算しない。 勤勉手当:介護休暇の期間から週休日等を除いた 日数が3日までは除算しない。 |
23 | 介護時間(新規) | 要介護者1人に対して3年間の範囲内で1日2時間までの取得 始業から時刻から連続して又は勤務の終了の 時効まで連続した時間における取得 部分休業と併用して取得が可能 (介護時間と部分休業を合わせて1日2時間) 取得単位:30分 ※無給 | 同じ |
24 | 短期介護休暇 | 要介護者の介護や通院の付添い、介護サービス手続きの代行 年5日の範囲内 有給 取得単位:1日、1時間 | |
25 | 永年勤続職員の職専免 リフレッシュ休暇(県) | 付与日数 勤続10年 1日 同 20年 2日 同 30年 3日 有効期間 10年、20年、30年に達した 年度の翌々年度の4月1日から3月31日までの1年間 ※事情により1年間の延長を認める | 付与日数 勤続10年 2日 同 20年 3日 同 30年 5日 有効期間 10年、20年、30年に達した 年度の翌年度の4月1日から3月31日までの1年間。 ただし、取得できなかった場合は1年間の延長ができる |
26 | ライフプラン休暇 | 無し | 当該年度に満54歳になる教職員 年休3日以上を含む連続した5日以上の休暇 |
27 | 夏季休暇 | 7月から9月の期間 5日 特例で6月~10月の範囲何で変更可能 1日又は半日 | 6月~9月の期間 5日 |
28 | 感染予防休暇 | その都度必要とされる期間 | 同じ |
29 | 天災及び交通機関の事故に係る休暇 | その都度必要とされる期間 | 同じ |
30 | 災害休暇 | 職員の現住居の減失又は破壊の場合のみ対象 ※運用により対応可 | 職員の住居の減失又は破壊の場合のほか、 「著しく不足している生活に必要な水・食料等を確保する場合」や 「配偶者等(単身赴任手当該当)の現住居が損壊等の場合の復旧作業」 も対象 |
31 | ドナー休暇 | 配偶者、父母、子及び兄弟姉妹への骨髄等の提供は除外 | 骨髄等の提供相手に関する除外規定なし |
32 | 献血休暇 | 庁舎内において献血協力する場合 (職務専念義務免除) | 勤務校または勤務校の所在する市町村において献血協力する場合 (職務専念義務免除) |
33 | 選挙権行使 | その都度必要とされる期間 | 同じ |
34 | 官公署等への出頭休暇 | 「職務に関し」という規定なし | 「職務に関し」出頭する場合に限り承認 裁判員として出頭する場合は、職専免該当 |
35 | ボランティア休暇 | 5日 | 5日 |
36 | 組合休暇 | 20日付与 | 30日付与 |
37 | 育児休業 | すべての男女教職員は任命権者の承認を受けて、 子が3歳に達する日まで、育児休業をとることができる。 1回に限り延長できる。 育児介護休業法の改正に伴って、妻と夫が同時に育児休業 ・育児短時間勤務・部分休業を取得することができる。 2017年10月より2歳に達する日まで育児休業手当金が 公立学校共済組合から支払われることになる。 ただし「保育所における保育の実施を希望し、 申し込みを行っているが、 当該子が1歳6カ月に達する日後の期間について、 当面その実施が行われない場合」との定めを設けている。 育児休業手当金は(給付日数×50/100×1.25) ×休業日数(給付日額上限あり) 代替者が措置される | 同じ |
38 | 育児短時間制度 | 常勤職員のまま、小学校就学の始期に達するまでの子を養育するために、 希望する日及び時間帯において勤務することができる。 ① 1日3時間55分(週19時間35分) ② 1日4時間55分(週24時間35分) ③ 週3日(週23時間15分) ④ 週3日(内1日は3時間55分で週19時間25分) | 同じ |
39 | 出生サポート休暇 (2022年1月より新設) | 5日(1日または1時間単位で) 不妊治療に係る通院等のための休暇として全ての教職員対象 (体外受精及び、顕微授精に係る不妊治療の場合は10日) | 同じ |
給与について
No | 項目 | さいたま市 ※市職 | 埼玉県 |
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1 | 給与表 | 教育職給料表(1)※高校・特支 教育職給料表(2)※小中 医療職給料表※学校栄養士 行政職給料表※学校事務職員 ※基本、給料表について市は県と同じにするスタンスです。 そのため地公労団交の結果が反映されます。 | 教育職給料表(1) 教育職給料表(2) 学校栄養職給料表 事務職給料表 |
2 | 給与の調整額 | 特別支援学校 特別支援学級従事者 基本調整額×1.0 | 特別支援学校 特別支援学級従事者 基本整額×1.0 |
3 | 教職調整額 | 給料月額×4/100 | 給料月額×4/100 |
4 | 昇級 55歳未満 | 4号給 | 4号給 査定あり |
5 | 昇級 55歳以上 | 2号給を標準とする | 0号給 査定あり |
6 | 扶養手当 | 配偶者13,500円 子・父母1人目 6,500円 配偶者なしの子 12,000円 特定期間の子 5,000円 分割扶養認めていない | 配偶者10,000円 子1人目 8,000 配偶者なしの子 10,000円 父母1人につき 6,500円 特定期間の子 5,000円 分割扶養認めている |
7 | 地域手当 | 支給割合 11%→11.26% | 支給割合 9%→10% |
8 | 通勤手当 | 支給限度額55,000円 新幹線等、原則認めていない 交通用具の使用距離区分5km加算 | 支給限度額75,000円 新幹線等、認めている 交通用具の使用距離区分1km加算 |
9 | 住居手当 | 限度額27,000円 | 同じ |
10 | 期末手当 | 同じ | 同じ |
11 | 勤勉手当 | 成績率あり ※2017年度から人事評価制度が賃金にリンクしている。 団体交渉で上位評価を受けて賃金が上がる人は2年を超えて連続昇級はしない。 | 成績率なし ※賃金リンクは導入されているが、 全員が昇級できるように運用上考慮する。 |
12 | 勧奨退職 | 50歳以上、勤続25年以上 50歳で20%加算。1年につき2%ずつ減っていく ※50歳で勤続28年(給料月額398,300円、試算の当時の額)の教諭が退職する場合、 普通対象は市と県は同額約1,500万円だが、勧奨退職の場合、 市は約2,050万円で県は約2,200万円。 差は約150万円 | 45歳以上、勤続20年以上 45歳で45%加算。1年につき3%ずつ減っていく |
13 | 自家用車校務使用 | 登録・承認を受けた場合に限り使用可 車賃の額 1キロメートルにつき37円 | 登録・承認を受けた場合に限り使用可 車賃の額 1キロメートルにつき18円 |
多忙化解消策
No | 項目 | さいたま市 ※市職 | 埼玉県 |
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1 | 時間外労働の振替 | 割振り変更簿の記入等で即場でのばらつきがあるが、記入を進めている。 在校時間調査を1月、さらに年度内末まで延長して調査している。 市内の数校をモデル校にして勤務時間を記録している。 パソコンを利用している学校が多い。 | 勤務時間割振り変更の対象を追加。 テスト・期末考査の採点業務、進路指導、 分掌用務の中のPTAとの打ち合わせ、 校内LANの保守作業、特別支援学校の「個別の指導計画」作成作業 昨年、県教委は6月の一月、勤務実態調査を行っている。 結果公表されている。 |
2 | 学校閉庁 | 2018年度より夏季休業中のお盆を挟んだ期間に3日間閉庁とする。 ※組合の交渉の成果 | 2017年度より、夏季休業中にサマーリフレッシュウィークを設置。 お盆を挟んで6日間学校を閉庁とする。 |
3 | 多忙化解消 | 2017年度、学校業務改善検討委員会を設置 ※組合の交渉の成果 | 地教委の取り組みになっている。 川口市は出退勤時間の把握をICカードで行っている。 |
4 | 勤務時間の管理 | 2018年度よりタイムカードを導入 ※組合の長年の要求の実現 |
福利厚生
1 | 事務移管後も公立学校共済組合埼玉支部・埼玉県教職員互助会に加入する。 |